法律事務所のCMでよく聞く「払いすぎた利息」というのは、過払い金のことで、利息を多く払い過ぎたことを指しています。金融機関が利息制限法という法律の範囲内で貸し出すならば法的に何の問題もありません。しかし利息制限法を超えた場合
■払いすぎた利息は回収する権利がある
本来支払う必要がないにもかかわらず、貸金業者に支払い過ぎたお金のことを過払い金といいます。
過払い金請求とは、この払い過ぎたお金を計算し、貸金業者に返還請求する手続です。この手続をすることで、あなたにも過払い金が返ってくる可能性があります。
たとえば消費者金融が顧客に100万円を貸し出し、15.0%の金利を請求した場合は合法になります。
なぜなら、利息制限法で15.0%までは認められているからです。
しかし、これが25.0%などの金利設定になると、15.0%を超えた分が過払いになるわけです。
金融機関からグレーゾーン金利を課されていた人は、過払い金請求をすれば回収できます。
過払い金を借金と混同する人は多いですが、借金とはまったくの別物です。
借金に関しては返済義務がありますが、過払い金に関しては回収する権利があるのです。
■問題はブラックリストに載るかどうか
過払い金請求は返済中のローンだけでなく、完済後のローンに対しても行えます。
後者に関しては過払い金請求をしても、ブラックリストに登録される心配はありません。
ブラックリストとは言うなれば、借金の返済義務を長期的に果たさなかった人に課されるペナルティです。
約定返済日までに返済せずに3ヶ月延滞した、返済不能になって債務整理をした、といった場合はブラックリストに載ります。
たとえば債務整理をして500万円あった借金を100万円にしてもらった場合は、ブラックになると考えてください。
一方で過払い金は借金ではないので、回収したことが原因でブラックにはなりません。
■注意したいのは返済中のローンに対する過払い金請求
過払い金請求をしても原則としてブラックリストには載りませんが、返済中のローンに対して手続きする場合は注意してください。
債務を超える過払い金が発生していれば問題はありませんが、過払い金を全額回収しても債務が残るような状態だと要注意です。
たとえば50万円の債務が残って、自力で一括返済できれば何の問題もありませんが、50万円の返済が厳しくて債務整理をすればブラックリストに載ります。
過払い金請求をする行為自体はブラックリストには影響しませんが、過払い金を回収した後の債務をどうするかによっては、ブラックリストに載ってしまう可能性があるのです。
■債務整理って?
債務整理とは、借金を減額したり、支払いに猶予を持たせたりすることにより、借金のある生活から解放されるための手続のことです。
債務整理の手続には、1)過払い金請求、2)任意整理、3)民事再生、4)自己破産、という4つの手続があります。弁護士に、債務整理の手続をご依頼いただくことで、その後の支払や取立を直ちに止めることもできます
■何もせずに過払い金が戻ってくることは絶対にない!!
消費者金融からの債務が50万円あり、過払い金は80万円発生しているとします。
こうした状況で両者を相殺すれば、債務者側に30万円が戻ってくるはずですが、金融機関側が自主的にそうした手続きをすることはあり得ません。
当然ながら金融機関側は過払い金が発生している事実を把握していますが、1円も返還したくないと考えています。
そのため債務者自身が過払い金請求の手続きをしなければ戻ってこないのです。
過払い金の回収率を上げるには、過払い金請求を得意とする弁護士に依頼するのが一番です。
消費者金融のキャッシングやカードローンから高額・長期間の借り入れをしていた人ですと、借入金を超える過払い金が発生しているケースがよくあります。
過払い金請求は信用のある弁護士事務所に相談しましょう。