刺身

アニサキスはクジラやイルカ等の海洋哺乳類につく寄生虫で、その幼虫(第3期幼虫)はサバ、スルメイカ等の魚介類に寄生します。アニサキスが寄生した魚介類を生又は生に近い状態で食べると、アニサキスがヒトの胃や腸壁に侵入し激痛を伴う胃腸炎を起こす食中毒です。

アニサキス症は、寄生した魚介類を生で食べてから、多くが8時間以内に、主に激しい腹痛を生じます。

夕食に食べた食事によって深夜に、吐き気、おう吐などを伴うこともあります。

どんな種類の魚に寄生しているの?

サバサケニシンスルメイカイワシサンマなどがよく知られています。

また、平成21年度までに東京都健康安全研究センターが実施した寄生実態調査では、

ホッケサワラサゴシキンメダイメジマグロアイナメにも寄生していることが分かりました。

一方、アニサキスの寄生した生餌を与えていた場合などを除き、

養殖魚には、アニサキスの寄生がほとんど認められていません。

 

アニサキスは、その卵が終宿主であるクジラ等のフンと共に海に排出されます。

卵からふ化したアニサキスは、やがてオキアミと呼ばれるプランクトンに食べられ「食物連鎖・弱肉強食」。

その体内で第3期幼虫に成長します。

オキアミを捕食した魚介類だけでなく、アニサキスが寄生した魚を捕食した魚介類へもその感染が広がるために、アニサキスの寄生している魚は多種になります。

お酢でしめると大丈夫?

アニサキスは、通常の料理で用いる程度のお酢では死滅しません。

バケツ一杯位の大量のお酢を同時に摂取する必要があるようなのです。

実際に、しめさばを原因としたアニサキス症が起きています。

同様に、通常の料理で用いる程度のワサビ(同時に大量摂取する必要あり)しょう油などでは死滅しません。




保存方法で注意することは?

一般に、アニサキスは、魚介類の筋肉よりも内臓に多く寄生しています。

常温で魚介類を放置すると、アニサキスが筋肉部へ移行しやすくなることが分かりました。

したがって、魚を生食する際にはより新鮮なものを選び、早期に内臓を除去し、低温(4℃以下)で保存することが重要です。

あるいは冷凍庫で24時間以上冷凍する必要があります。

アニサキスによる食中毒予防のポイント

〇アニサキスは加熱又は凍結により死滅するので、中心部まで十分加熱する中心部まで完全に(マイナス20℃で24時間以上)凍結すること。

〇内臓の生食をしないこと。

〇魚介類を生食する際には、より新鮮なものを選び、早期に内臓を除去し、低温(4℃以下)で保存すること。

〇魚を生食用に調理する際にはアニサキスを意識して、魚をよく見て調理すること

 特に、内臓に近い筋肉部分(ハラス)を調理する際は注意すること。

〇アニサキスは、傷を受けると胃や腸壁への侵入性が著しく低下するので、なめろう等を調理する際は細かく刻むこと。

激しい腹痛に対処できる胃腸薬はあるのか?

特効薬はないようですが、

ブスコパン・安中散・正露丸・・・等の胃腸薬が痛みの緩和になるようです。