「パーソナルスペース」という言葉がありますがご存知ですか?満員電車や混雑したエレベーターなど、他人があまりにも接近して不快な思いをすることや、恋人や家族でもこれ以上は近づいて欲しくない距離がありますね。満員電車や混雑したエレベーターなど、他人があまりにも接近して不快な思いをすることや、恋人や家族でもこれ以上は近づいて欲しくない距離がありますね。
パーソナルスペースとは、その距離より近づかれると不快感や緊張感を引き起こす範囲を指します。
早い話が「他者に侵入されたくない空間」のこと、あるいは対人距離をパーソナルスペースといいます。
私たちはこの距離をうまく使い分けながら生活をしていますが、本人の志向や置かれた環境や相手との関係によって、パーソナルスペースは伸縮自在に変化します。
内向的な人はパーソナルスペースが広く、なるべく人を近づかせたくないという傾向があり、
外向的な人はパーソナルスペースが狭く、人の中にいても自分の空間を侵害されたと思いにくい傾向があります。
また、初対面の人に対しては距離を取り、親しい人は距離が近くなることは、相手によってパーソナルスペースの範囲を変えているためといえます。
では、男性と女性ではパーソナルスペースに違いがあるのでしょうか。
自分を中心とした時にどれくらいの範囲をパーソナルスペースとして持っていたいかを実験で示すと、
男性のパーソナルスペースは前後に広がった楕円形で女性よりも広く、
女性は前後左右均等の円形で男性よりも狭いという結果が出ています。
前方においては、女性が平均6.94mだったのに対して男性は平均17.78mで、左右後方でも男性は女性の約3倍の広さをパーソナルスペースとして持っていたいと感じていることがわかりました。
次は、相手にどれくらいの距離まで接近できるのかを男女共、知人か他人かの場合でわけて実験すると
ほとんどの場合で他人よりも知人、異性よりも同性同士の方が、距離が短くなることがわかりました。
その形も男女で大きく異なることはなかったものの、男性は女性に比べて、左右よりも前後に空間を持ちたがる傾向が見られます。
この結果から、
男性のパーソナルスペースは前後の楕円形、女性のパーソナルスペースは左右均等の円形といえるでしょう。
このように男女で異なる「距離感」ですが、恋愛においては相手の空間に入って良いか確かめるのは重要なこと。
拒まれたら、まだ相手のパーソナルスペースに入れてもらえるまでに至っていないということになります。
また女性の場合、対男性に対してはあえて前方に入ってアピールする、といったように、恋愛のテクニックとして応用すると良いでしょう。
では
ビジネスシーンでの理想の距離はどれくらいなのでしょうか?答えは1.2メートル
で、個人距離(45cm~1.2m)と社会距離(1.2m~3.6m)のちょうど中間とされています。
それ以上近づいてしまうと友人としての距離感になってしまい、それ以上離れても不自然です。
しかし仕事上でより相手に強調したい時などにはこの距離を一歩踏み込むことで、あえて相手により強く印象づけをすることができます。
このようにビジネスシーンにもうまく活用することができるのですが、
「なんだかあの人 馴れ馴れしい」
「よそよそしすぎて嫌われてるんじゃないか」
と、悩むこともあるかもしれません。
でも、それは相手と「距離感」が違うからかもしれません。
自分と相手で「距離感」が違うのだと思ってみると、そういった悩みが少し楽になるかもしれませんね。
参考までに・・・
私たちは相手との関係性によって適切な距離を置いていますが、人に対する距離は以下の4つに分けることができます。
・密接距離( ~45cm):恋人以上の関係にある者同士の距離
・個人距離(45cm~1.2m):友人、ビジネス関連の場合の距離
・社会距離(1.2m~3.6m ):接触はできないフォーマルな距離
・公衆距離(3.6m以上 ):個人的な交渉ができない距離