ストレス

現代社会に生きる私たちは人間関係や仕事など、さまざまなストレスに日々さらされ、度を越すと心身の健康を害してしまうケースもあります。趣味や運動などでストレス発散することも大切ですが、そもそも自分にかかるストレスを軽減することができたら、生きるのがもっと楽になりますよね。

▼ あなたのストレスは?仕事、家庭、配偶者の死、夫婦別居生活、離婚?

最近、ストレスがたまっていませんか? 人はどんなときにストレスを感じやすいのでしょう。上位にランクされるものは 配偶者の死、 離婚、 夫婦別居生活、拘留や刑務所への留置、 家族の死 、自分のけがや病気、 結婚、 解雇・失業 、夫婦の離婚調停・和解、 退職・・・

「結婚」を基準にすると、「配偶者の死」は2倍のストレスになります。

この上位のなかでは、半分が結婚や夫婦生活にかかわるライフイベントであり、パートナーとの別れに関する項目が上位3位を占めています。

以降は夫婦(男女)の関係、家庭の問題、仕事やお金の変化など、さまざまなライフイベントが登場してきます。

家族の健康上の大きな変化、 妊娠、 性的な障害、 新しい家族ができる、  経済状態の変化、 友人の死、 仕事の変更、 配偶者とのけんか、 100万以上の借金

さらにこれに続くものでは、

▼ 家庭と家族の問題、仕事や労働条件の変化、環境や活動の変化、学業における変化、生活習慣の変化など。

ライフイベントも小さなものが増えてきます。

ここで注目したいのは、「結婚」、「妊娠」や「新しい家族ができる」のように、一般的にめでたく幸せなことでも、ライフイベントが大きいとストレスも高くなることです。

つまり、毎日が変化に富んで楽しく、愛情にあふれた生活を送っているとしても、ライフイベントが大きいと、本人も気づかないうちにストレスをためやすくなっているということです。

また、

いくつものライフイベントが重なると、心身の健康が崩れ、病気になるリスクも現れます。

たとえば、結婚後に引っ越しをし、妊娠した。それを機に退職し、生活条件が変わった。

家庭の経済状態も変化し、苛立ちが募って配偶者とのケンカが増えてしまったという場合。

よくある例ですが、2人に1人が健康障害に陥るということになりようです。

1年という短い間に結婚、引っ越し、妊娠、退職という大きなライフイベントが重なり、生活や経済状態も変化するのですから、

幸せでも受けているストレスは非常に大きいということです。

または、

リストラ

されて失業し、家計が苦しくなった。

住宅ローン

を返却できず家を手放し、引っ越しをした。その後、新しい仕事を見つけて職についたが、労働条件が変わり、上司とも相性が合わないという場合。

こうしたケースも最近増えていますが、2人に1人が健康障害になると考えられます。

歴史的な大不況、震災の影響、企業の海外移転などで職や家を失い、新しい仕事が見つからない、仕事につけてもなじみにくさに苦しんでいる人は多いと思います。このように、自らの努力では解決しにくい問題を抱えると、心身の健康リスクは高まってしまいます。

何らかの

ライフイベント

が起きたときには、それに付随して環境やライフスタイル、経済状態が変わっていくものです。

すると、パートナーや家族との関係にも影響が現れ、家庭という人生の基盤と健康を失うリスクも高まると言えそうです。

また、大きなライフイベントを経験すると興奮が続き、ストレス状態に気づきにくいものですが、自分が感じる以上にストレスはたまっています。

適度に休養をとる、気分転換をするなどして、ストレスの解消を心がける必要があると思います。

ストレスがたまる前にストレスを減らす方法を考えました。

▼ ストレスに強いのは「合理的な思考」

ストレスに対する耐性は人により異なり、ストレスに弱い人もいれば強い人もいます。

それは生まれ育った環境、持って生まれた性格にもよりますが、その人の考え方(ポジティブorネガティブ)に大きく左右される部分もあります。

ストレスに強い人の大きな特徴は「合理的な思考ができる」ことです。

たとえば職場でミスをしたとき、あなたはどんな気持ちになりますか?

落ち込んでしまう、

自分の仕事に自信が持てなくなる、

ショックをひきずって他の仕事に響いてしまう、

・・・という人が多いかもしれません。

ストレスに強い人は、そのミスは経験のひとつに過ぎず、自分が成長するために必要な過程だと捉えることができるのです。

これも一つの経験だと。

また、マイペースで細かいことを気にしない、大ざっぱな性格の人もストレスに強いといえるでしょう。

こうした人に見られる特徴は、自分のペースを乱されないことで他人からのストレスを受けにくい、完璧主義ではないから多少の不完全さは許容できる、そしてスルーしてしまうスキルが高いという点が挙げられます。

自分が生きていく上で非合理的なことを排除することで、ストレスをためない生き方ができているのです。

こうした合理的な思考によって、ストレスを抱えるというムダを省くことができるので、ストレスに強い人といえるでしょう。

▼ ストレスとのうまい付き合い方

ストレスに強くなるためにいきなり考え方をがらりと変えるのは難しいですが、自分の考え方を少しだけ変えてみるのはできるのではないでしょうか。

視点を変えてストレスを軽減させる、その方法を3つほど紹介しましょう。

一つめは「ストレスを自覚する」こと。なんとなく気分が晴れなくて調子が悪い状態が続いている人は、知らず知らずのうちにストレスをためているかもしれません。

そのまま放っておくと心身の健康を害する危険性もあるので、自分のメンタルを点検してみることが大切です。

自分に対して厳しくしすぎるのではなく、リラックスできる時間を作ってみてください。

二つめは「他己評価でなく自己評価を大切にする」こと。周りの目を気にする人ほどストレスをためやすい傾向にありますが、他人からの評価は人によって、またその人の性格や機嫌によっても変わるもの。

絶対的ではないので、それに合わせるのはとても非合理的です。

それよりも自己評価を大切にすることで自信をつけて、自分らしさを認めてもらう方がずっと生きやすくなります。

三つめは「他人はコントロールできないと諦める」こと。

他人の仕草や行動、言動などにストレスを感じている人も多いかもしれませんが、自分のストレス解消のために相手を変えることはできませんよね。

自分でどうにもできない物事に対しては、気にしすぎないようにする、スルースキルで対処するのがベストです。

視界に入れない、気にしないようにすれば、その人が原因で起こるストレスは軽減できるはずです。

 

規則正しい生活

考え方の視点を変えるだけでもストレス耐性を強くすることができますし、トレーニング次第ではストレスに強い人になることも可能です。

ここで忘れてはいけないのは、そのためには規則正しい生活も心がけること。

中でも特に睡眠不足はメンタルに影響を与えやすいものでもあります。

自分に充分な睡眠時間を確保することも忘れないようにしましょう。

具体的な対処法

不快な職場環境(たとえば受動喫煙等)によって、日々ストレスを感じている場合は、上司などに相談して、職場の環境改善に取り組んでもらうようにしましょう。

上司が無関心な場合には、衛生管理者、産業保健スタッフに相談してみます。職場の環境改善には多くの人が関心をもっているので、改善に前向きに取り組んでもらえるでしょう。
 
また、職場において上司からパワーハラスメント(いじめなど)を受けた場合は、職場の相談窓口で事情を話して対策を講じてもらったり、公的機関における相談窓口で相談したりするとよいでしょう。

相談

自分で対応しきれない大きな問題を抱えた時には、自分ひとりで解決するにはかなりの時間と労力を要することになり、結果として心身の不調を招くことになりかねません。

そのような時には、信頼できる人や専門家に相談することが必要です。

仕事のことで行き詰まった時には同僚や上司に、心身の異常であれば医療の専門家に、金銭に係る法的問題であれは法律の専門家になります。

相談窓口を設けている企業もありますし、また、公的な機関が相談窓口を設けていますので、専門家に相談することで問題解決の糸口を見出すことが期待できます。

また、不安や心配が全面に出ている場合には、カウンセラーにまずは相談することが勧められます。

多くの専門家に相談することで、解決に至る時間が短縮されたり、よりよい解決方法が見出されることになるでしょう。

さて、

日常的なストレスの原因は様々です。

▼ 嫁姑関係、育児ストレス、満員電車、苦手な上司、急な予定変更。

ストレスを感じるのは年代、環境によっても違いますね。

「義姉はとにかくいやみの天才。『暑いですね』と言ったら「そう? 私は暑くないわよ。 更年期障害で、火照ってるんじゃないの?」だって……」




●「とにかく何にでも口出ししたい義母。 何も考えずに思ったことをパッと口に出す人なので何も言えない嫁はイライラ。 夫との夫婦喧嘩に発展することも」

 義理の家との付き合いはストレスの王道でもあるハズなのに、意外に少ないのが現実です。

●「周りの人のことを考えないジコチューの人に会うとがっかりしてしまう。どこでも『むかつく!』を連発する人、ごみを道端に捨てる人など」

●「道を塞いでゆっくり歩いているグループの後ろになってしまったときはイライラします。せめてどちらかによるとか、もう少しペースを上げて歩くとかしてほしい!」

また逆の発想として、モラルやマナーを意識し過ぎることも、他人にストレスを与えてしまうようです。

たとえば、以下の2つの場合。

●「レストランやホテルなどで機械的な対応にあったとき」

●「社会を生き抜くためのつくり笑いとか大人の円滑な作法みたいなやつ」

職業や義理とはいえ“人間的”な応対ができなくなっていることも、「優しさ」に欠けているゆえんですね。これも現代を象徴するようなストレスですね。

●「仕事の休みがなく常に時間に追われているときは、呼吸が浅くなっています。何日間か続くと耳の手前に“ふきでもの”ができます」

●「実働1日6時間と言いながら、実際は家に持ち帰って夜中まで作業しないと成り立たない。

やりがいがなかったら、やってられません」

ところで、

「スピード化・効率化社会がもたらすメリット」とは、どんなことだと思いますか?

「時間に余裕ができて、余暇や団らんの時間が持てること」「少ない労力で利益を上げられ、楽ができること」などがあるでしょう。

しかし、実際には楽になることは少なく、あまった時間を利用してさらに多くのことをこなそうとして(もしくは、させられて)しまいますよね。

スピード化、効率化社会が進むと、結局は休む時間もなく走り続ける人が増えていくことになるのではないでしょうか。「電車ストレス」は、働く人のストレスの定番中の定番ですね。

しかも、注意したくてもなかなかできないことも、またストレスのようです。

●「ヤマンバ系にかぎって、周りを気にせず携帯を使い、大声で下らん会話をしている。人前での化粧もそうだが、注意すると逆切れするので手に負えない。親の顔が見てみたいものだ」

●「なるべく乗車マナーの悪い若い人には注意しようと思っていますが、たまに勇気がなくて言えなかったときは、自分にも腹が立ちます」

また、パーソナル・スペースを侵される満員電車はそれだけでも苦痛ですよね。

●「満員電車で汗ダクの人にくっついてしまったとき」

●「知らない人との密着や、揺れる度に押してくる隣の人。 仕方ないと思いつつやっぱりイライラしてしまいます」

これは、誰もが感じるストレスですよね。「ままならないのが人生」とは分かっているものの、苛立ちやむなしさを抱えながら頑張っている人が多いと思います。

下の2つは、まったく逆のことにストレスを感じているようですが、どちらの気持ちも分かります。

●「自分が望まない状況に身を置くしかないときが、最もストレス度が高くなる。特に対人的に発生する状況がもっともやっかい。天災なら諦めもつくが……」

●「事前に計画を立てて仕事を進めることを好むのですが、不可抗力(天気など)で予定の変更を行うときにストレスを感じます。

人(上司、同僚)によって予定が変更するときは何も感じないのに・・・・・・」

一方、思い通りにいかないときにストレスを感じてしまう自分も見つめなおしたい、ということもあるでしょう。

●「よく考えれば、世の中自分の思い通りにコトが運ぶことの方がまれ。自らストレスを溜めることを選んでいるのかもしれませんね。」

●「すべて思い返してみると、『思ったとおりにことが運んでいないとき』にストレスが生み出される気がします。

ストレスは決して周りに与えられるものではなく、自分の中で作り出してしまう感情です」
子どもを愛おしいと感じても、子育てにはストレスも感じるもの。悩みは年代によっても異なります。

【20代】
●「娘が2歳なので、聞き分けが難しいんだとは思うのですが、何度も何度も同じイタズラをして私を怒らせるんです」

【30代】
●「幼稚園の娘がおりますが、毎朝バス停まで送るのがとても大変。早くしなさいと怒っても、ボーっとテレビを見ている、ご飯を食べている、着替えている……」

●「小3・小4の息子達は、くだらないことで毎日のように喧嘩をします。

その度にこっちはイライラ……『夫婦喧嘩は子どもに悪影響』というのがとてもよくわかります」

【40代】
●「自分自身の学生時代より、成績が悪いと落ち込むのは、親にならなければ分からなかったよなぁ」

●「中3の息子が、受験生にも関わらず家にいると勉強もしないのに、えらそーにソファに横たわっているのを見るととてもイライラする」
出ました!! 働く人のストレスの「総本山」ともいえるのがこれ。この項目に票を投じた方は、20代が圧倒的でした。

このランキングでは明らかな「パワハラ」によるストレスは、少数派でした。むしろ、怠慢、自分勝手な行動、マナーの悪さなど、「社会人としての常識」の欠如した上司に苛立っている人が多いようです。

●「郵便出すくらい自分でして。 出してほしいなら封をして切手くらい貼れ」

●「『聞いてない!』が口癖の上司。でもメモに書いて渡すと『そんなものイチイチ見てられるか!』なんですよねー(苦笑)」

ところで、上司へのストレスは30代までが大多数でしたが、40代以降は部下への不満が目立つようになります。

このように、環境、年代、立場によってストレスの方向、度合いは違ってくるものです。

ということは、いつまでも同じストレスは続かないのです。
一難去ってまた一難・・・ストレスと上手に向き合い、付き合うことが「人生もまた楽し」になるのでは?

▼ 職場で「疲れない」人間関係を築き、ストレスを溜めない方法

「なかなか疲れがとれない」「眠ってもスッキリしない」という悩みはありませんか。そうしたすべての疲労の原因は脳が原因のようです。職場で疲れない人間関係を築くとは、要するに、職場の人間関係によってストレスを溜めないということです。

仕事とその人間関係によるストレスによって自律神経のバランスをくずし、心身ともに疲労困ぱいとなっているビジネスパーソンがとても多いのだそうです。

ストレスを溜めないためには、脳疲労を溜めないようにすることです。

それは言い換えれば、「脳が楽」でいることを目指すようにすれば良いわけです。

つまり、脳疲労の原因となる人間関係をきちんと認識することです。

▼ 脳疲労の原因となる人間関係が突き止められたら、その関係とは距離を置くようにしましょう。

●勇気を持って自分の弱さをさらけ出す

真のコミュニケーションとは、必ずしも上手なコミュニケーションとは限りません。

小手先のコミュケーションスキルで得た人間関係は非常にモロイと言えます。

たとえコミュニケーションが苦手でも、つくろわずに勇気を持って自分の弱さをさらけ出すことでこそ、本当の信頼関係を構築することができるのです。

真のコミュニケーションができるかどうかは、相手との適切な距離を判断する材料になります。

「笑顔」から始まる信頼関係

会話は疲れにくい脳をつくることにつながるのだそうです。

場の空気を読んだコミュニケーション力が高い人ほど、脳全体の機能を使えていて、脳が疲れにくい

つまり、「職場でも周囲に気を配りながら会話をすること」で、脳疲労をふせぐことができるわけです。

とはいえ、コミュニケーションが苦手な人が、いきなり「信頼関係の構築を」「周囲に気を配りながら会話をする」と言われてもあまりピンとこないでしょう。

そこで、鍵となるのは「笑い」です。

「笑い」といっても、無理に相手の笑いをとろうと頑張るのではなく、自分からできるだけ笑顔を見せていくのです。

これには科学的根拠があります。

ミラーニューロンという神経細胞の働きです。

ミラーニューロンには、ミラーが鏡という意味であることから分かるように、相手の動きや表情を鏡のように脳に映して自分に取り込む働きがあるのだそうです。

つまり、自分が笑顔でいればまわりも笑顔になっていくというわけです。

コミュニケーションが苦手という方は、まず笑顔を見せることから始めてみてはいかがですか。

●上司が部下のためにできること

たとえば、職場の飲み会。「あまり行きたくないけど、上司や同僚になにを言われるか分からないから行かないとな…」と嫌々参加している方も少なくないでしょうか。

「仲間はずれ」を恐れる意識は疲労を招きます。

つまり、あまり気が進まない飲み会は疲労を招くコミュニケーションと言えるわけですが、部下からしてみれば、参加する以外に選択肢はありません。

状況を変えられるのは企業や上司、強い立場にいる人たちです。

企業は同調圧力による無理強いの会合はやめるべきでしょう。

会社に1日8時間以上居るのであれば、せめて休憩時間1時間は、ひとりでいるのがベストです。

以上のように脳疲労を防ぐ方法はたくさんあります。自分の立場でできることからぜひ実践してみてください。